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アンプの基本講座:ゲインとボリュームの違いを学ぶ
似ているようで実際には大きく異なる2つのコントロールとは?
「ゲインとボリュームの違いは?」あるいは「ゲインって何?」と尋ねられた場合、多くのギタリストやベーシストは困った表情を浮かべることでしょう。
当たり前のようにゲインを使っているプレーヤーでも、その正確な定義、そしてボリュームとの違いを説明できる人は多くはいないはずです。
両者の違いを知るには、まずアンプの基本について理解することが大切です。ギターアンプは大きく分けて2つのセクションで構成されています。片方のセクションでは、ギターから送られる比較的弱いシグナルが加工されます。そしてもう片方のセクションでそのシグナルが強いものへとブーストされ、オーディエンスを熱狂させる大きなサウンドとなってスピーカーから鳴るのです。
最初のセクションはプリアンプの役割を果たします。アンプの中にはこの部分でシグナルの強さをコントロールできるものがあり、その調整をするのが「ゲイン」です (「ドライブ」と呼ばれることもあります) 。ゲインはプリアンプに送られるインプットのボリュームと認識されがちですが (ゲインを調整することでスピーカーから鳴る音量が変化することが、ゲインとボリュームが混同されがちな理由だと考えられます)、実際にはボリュームではなくトーンをコントロールする部分です。ゲインのセッティングによって、アンプにおけるプリアンプのセクションをどれだけハードにドライブさせるかが決定されます。ゲインを調整することで、実際にスピーカーから鳴る音量だけでなく、トーンの歪み具合が変化します。
つまりマスターボリュームのセッティングとは関係なく、ゲインの調整によってサウンドをクリーンにするか、あるいはダーティにするかを決定できるということです。ゲインを高めにセットしたダーティなサウンドを、囁くような小さな音量で鳴らすか、あるいは会場を揺るがすほどの大音量で鳴らすかは、マスターボリュームのセッティングによってコントロールすることができます。
マスターボリュームは、プリアンプのセクションとは完全に独立したパワーアンプのセクションをコントロールします。この部分がサウンドのパワーを決定します。パワーアンプのセクションは、プリアンプのセクション(ゲインコントロールを含む)で決定されたサウンドの輪郭にパワーを吹き込みます。
ゲインコントロールがないタイプのアンプの多くは、ボリュームコントロールがプリアンプのセクションに配置されています。この場合、ボリュームコントロールは音量とゲインの両方を変化させるのです。