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アコースティックギター2つのカッタウェイ、フローレンティンとベネチアンって?
アコースティックギターに見られる2つのカッタウェイ、それぞれの特徴とは
アコースティックギターのカッタウェイは、ハイポジションでの押さえやすさに大きく関係しています。
しかし…
ハイポジションでの押さえやすさを重視するギタリストたちの中にも、ベネチアンとフローレンティンという2つのカッタウェイの違いを知らないプレイヤーは少なくありません。ここではそれぞれの特徴について解説します。
その違いを理解する上で、イタリアの歴史や地理に精通している必要はありません。ベネチアンカッタウェイは傾斜が緩やかで丸みを帯びているのに対し、フローレンティンはカーブが急で先端部がやや尖っています。フォークの先のように、先端部が尖っているものがフローレンティンだと覚えておきましょう。
より一般的なのは、丸みを帯びたベネチアンカッタウェイです。現行のフェンダーアコースティックギターは、全てベネチアンスタイルを採用しています。(California Series、CD-140SCE、CC-60SCE等)。1970年代末からつい最近までは、フローレンティンカッタウェイのアコースティックギターも多数存在していました(Balboa、El Rio、1980年代に見られたSanta CruzおよびLa Breaモデル、1999年から2002年にかけて生産されたDG-27SCE、2003年〜2008年に流通したGDC-200SCE等)
不思議なことに、どちらのスタイルもイタリアとは直接関係がありません。Acoustic Guitar Magazineのウェブサイトには、「2つのカッタウェイが、それぞれベニスとフィレンツェで生まれたという証拠は確認されていない」と記されています。またウィキペディアでも、以下のような見解が示されています。「フィレンツェとベニスは楽器製作において長い歴史を誇るが、各カッタウェイとの関連性は確認されていない」
20世紀前半には、アメリカの各ギターメーカーが両カッタウェイのアコースティックギターを生産していたことが確認されています。