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ネックを最適に保つ"トラスロッド"
表舞台には出てきませんが、トラスロッドはギターにとって重要なパーツです。
トラスロッドとは、ネックの中に埋め込まれた金属製のパーツで、スチール弦を張ったエレクトリックギターにとって、とても重要な役割をもっています。なぜ、トラスロッドが必要なのでしょうか?
弦の強い張力に引っ張られ、曲がろうとするネックは、正確な音を出すことができず、音詰まりなどが発生してしまいます。しかしトラスロッドがあることで、ネックを真っ直ぐで安定した状態に保ち、正確な音程を保つことができるのです。
トラスロッドがとても優れているのは、調整ができるということです。必要に応じて、ネックの根元(ネックを外す必要がある場合があります)、またはヘッド側にある金属のパーツをレンチ等で回すことで、締めたり緩めたり調整することができます。(American Elite Seriesは、ダブルアクショントラスロッドを採用しているので、根元側にありますがネックを外さずに、かつスムースな調整が可能です)
順反りと呼ばれるボディを上に向けた時にネックが凹んで見える状態は、トラスロッドを締めることで修正をします。また、逆反りと呼ばれるネックが凸状になった状態は、緩めることで修正することができます。ただし、この調整には技術が必要なので、自信がない場合は、楽器店など専門的な知識がある人に調整をしてもらいましょう。
トラスロッドが必要な理由
ナイロン弦のギターが主流であった時代とは違い、エレクトリックギターや多くのアコースティックギターには、スチール弦が張られています。その張力はとても強く、一般的なライトゲージでも、約90kgの負荷が掛かっています。その強い張力でネックを引っ張り続けているのです。引っ張られたネックが、張力に負けて弓状に曲がってしまうことを想像できるでしょう。
また、気候もネックに影響を与えます。ご存知のとおり、木は100%安定した材質ではありません。湿度や乾燥によって膨張したり、伸縮したりします。しかし、それは自然に起こり得ることで、普通のことなのです。
上記の理由から、ネックを安定させるために、強化する必要があり、鉄製(後にグラファイト製)のトラスロッドが導入されるようになりました。もし、トラスロッドがなければ、弦の張力に耐える強さもなく、調整することもできないでしょう。また、トラスロッドの導入によってネックを細くすることが可能になり、プレイアビリティの向上にも貢献したことも忘れてはいけません。