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オープンDチューニングについて
開放弦を全て鳴らした音がDコードになる、“オープンDチューニング“の方法を学びましょう。
実は、ギターのチューニング方法は一つではありません。標準的なレギュラーチューニング以外のチューニングを「オルタネート・チューニング」と呼びます。最初はマスターするのが難しいと思われるかもしれませんが、オルタネート・チューニングは音楽の知識を広げるのに最適な方法です。
このレッスンでは、オルタネート・チューニングの中でも代表的なオープンDにチューニングする方法を学びます。また、オルタネート・チューニングを試すことのメリットや、オープンDチューニングの曲をいくつか紹介します。
オープンDチューニングとは?
開放弦を全て鳴らした音がDコードになるのが、オープンDチューニングです。
わかりやすいレギュラーチューニングから一度離れてみるべき理由がいくつかあります。
まず第一に、オルタネート・チューニングを使う事で、演奏曲の幅が広がります。ジョニ・ミッチェルやキース・リチャーズのような有名なギタリストは、彼らのヒット曲の多くをオルタネート・チューニングで演奏しています。
次に、オープンDチューニングは、弦を数本押さえればコードを作ることができます。このため、スライド奏法を用いている人には、スライドを使って完全なコード弾くことができるので相性が良く、人気があります。
レッスン:オープンDにチューニングする方法
オープンDチューニングは、ギターの6弦のうち2弦を除くすべての弦のチューニングを変更します。ここでは、レギュラーとオープンDの違いを説明します。
レギュラーチューニングの場合は下記のようになります。
E(低) A D G B E(高)
オープンDチューニングでは、E(低)はDに1音下がり、AとDはそのまま、GはF#に半音下がり、BはAに1音下がり、E(高)はDに1音下がり、下記のようなチューニングになるのです。
D(低) A D F# A D(高)
レギュラーチューニングとオープンDチューニングの違いが明確になったところで、オープンDへのチューニング方法を学びましょう。 まず、E(低)を弾いてみましょう。少しずつ、自分に向かって時計回りに、ペグを回します。正しい音になるまで弦を弾き続けます。チューニングが必要な他の弦にも同じことを繰り返します。
ヒント:Fender TUNE アプリを使用すれば、設定を調整したり、オープンDやその他のオルタネート・チューニングに合わせることができます。もしお持ちでない場合には、この機会にダウンロードしてみてください。
チューナーがない場合には、自分の耳を使ってチューニングしてみましょう!まずは別の弦でチューニングしたい音を弾いてみて、その音に合わせてみましょう。例えば、6・1弦のEをDにしたい時、4弦開放のDを弾いて、音が合うまでペグを調整します。6限Dは4限Dよりオクターブ低くなり、4弦Dは1弦Dよりオクターブ低くなることを覚えておきましょう。次に、5弦解放のAを弾き、2弦Bが同じトーンになるまで音を下げます。そして、3弦GをF#へ半音下げます。4弦Dの4フレットを押さえた時に聴こえる音に合わせていきましょう。この2音のトーンは、どちらかがオクターブ高くもなく低くもなく、同じになるはずです。
オープンDチューニングを使った曲
「Big Yellow Taxi」 by ジョニ・ミッチェル
「Big Yellow Taxi」は、オープンDの陽気なサウンドを使って、ユーモラスで皮肉なシチュエーションを表現しています。フォーク・ミュージシャンのジョニ・ミッチェルは、ハワイのホテルの一室で「Big Yellow Taxi」のインスピレーションを受けたとジャーナリストに語っています。彼女が窓の外に目をやると、美しい山々と並置され、下の方に醜い駐車場が見えたのだ、と。ミッチェルはこの曲をEキーで演奏しているので、オルタネート・チューニングのオープンEで演奏することも可能ですが、その場合、チューニングを高くすることで弦が切れてしまう危険性があります。 オープンDにチューニングし、2フレットでカポをクリッピングすることで安全に演奏することができます。
「The Cave」 by Mumford & Sons
「The Cave」は「Big Yellow Taxi」のような遊び心あるサウンドではなく、オープンD
チューニングを活用してフォーク・ロック・バンド、マンフォード&サンズのストイックでありながら高揚感あふれるサウンド、歌詞に込められた感情を効果的に引き出しています。「今は自由が必要だから、与えられた使命を果たすためどう生きるべきかを知る必要があるから」と歌うマーカス・マンフォード。インスピレーションに満ち溢れています。
オルタネート・チューニングはチャレンジングかもしれませんが、レギュラーチューニングから一歩踏み出してみることは、コードを弾いたり、曲に感情的なトーンを生むための、新しい方法を発見することに繋がるはずです。練習すれば、オープンDチューニングだけでなく、オープンEやオープンAチューニングなどのバリエーションもマスターできるでしょう。