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フェンダーなら間違いなく絶対にいい音が鳴るという安心感がある|Mrs. GREEN APPLEインタビュー【後編】

Mrs. GREEN APPLE

バンドにとって最大規模となるホールツアーを、全国各地で開催中の8月1日に7thシングル「青と夏」をリリースした5人組ロックバンド、Mrs. GREEN APPLE(以下:ミセス)。大森元貴(Vo,Gt)、若井滉斗(Gt)、髙野清宗(Ba)の3人に、現在使っているメインギターおよびベースについて語ってもらった。

すぐ音が戻ってくる感じが気持ち良くて一発鳴らして買いますって決めました
 

―  今日持ってきていただいた楽器は、大森さんがTelecaster、若井さんがStratocaster、髙野さんがPrecision Bassですが、お1人ずつその楽器に出会ったきっかけや、それを手に入れた理由を聞かせてください。大森さんは初めて買ったギターがこのTelecasterだったそうですね?

大森元貴(以下:大森) 3自分のお金で買ったのはこれが初めてでしたね。高校1年の時だったかな。バイトして貯めたお金で買いました。試しに弾いた時、音の立ち上がりが太かったんです。ちゃんと迫力があるのに、すぐ音が戻ってくる感じがすごく気持ち良くて、一発鳴らして買いますって決めました。当時はまだ前身バンドをやっていたんですけど、曲調はすでに今の感じで、アルペジオだったりバッキングだったり、いろいろなプレイにちゃんと寄り添ってくれるオールマイティな楽器だと思いました。

―  最初からテレキャスがいいと決めていたんですか?

大森 そうだったっけ? 一緒に買いに行ったよね。

若井滉斗(以下:若井) テレキャスを探していた気はするけど。

大森 若井が当時、レスポールだったんです。その相性を考えて、テレキャスを探していたのかな。

―  大森さんは作曲も編曲もするし、全部の楽器を演奏しながらアレンジするとおっしゃっていましたが、ギタリストという意識はそもそもあるんですか?

大森 現にライヴでギターを弾いているので、ギタリストなんだろうなっていう(笑)。最近やっと自分はヴォーカリストだって思うようになったぐらいで、昔から家にこもって曲を作るのが好きだったんですよ。その意味では、とても作家気質なんですけど、ようやくヴォーカリスト/ギタリストとして自覚が芽生えてきて、今はすごく楽しい時期なのかな。

―  若井さんは今日持ってきていただいたストラトはいつ頃、手に入れたんですか?

若井 2016年の初め頃、当時のテックさんが “こんなギターがあるよ”ってこのストラトを持ってきてくれて。まず赤べっこうのピックガードに一目惚れしちゃって、“今日、ライヴで使わせてもらえませんか?”って。

―  はい(笑)。

大森 テックさんもびっくりしただろうね。

若井 けっこう勝負ですけどね。でも実際に使わせてもらったら、これだって。ミセスの楽曲っていろいろなタイプがあるから、それに対応するならストラトだろうと思って、ちょうど欲しかったんですよ。ドンピシャでハマりましたね。

―  ストラトのどんなところがハマると?

若井 フロントにしたら甘い音が出るし、逆にリアにしたらソリッドな音が出る。あと、右手のタッチと言うか、ニュアンスでけっこう音色が変わるんですよ。

大森 そこはギタリストとして試されているところがあるよね。

若井 そうそう。ストラトを使うことで、ギタリストとしてのスキルも上がるんじゃないかって。

―  そして、髙野さんは、このプレベとはどんな出会いがあったんですか?

髙野清宗(以下:髙野) 買ったのは1年前なんですけど、ミセスに入ってから、レコーディングでテックさんからヴィンテージのジャズベやプレベを借りる機会があって、それまで自然に弾いてたんですけど、プレベって鳴らそうって意識で弾かないと、音がちゃんと出てくれないということに気づいて。そこがいいな。自分も一緒に成長できたらいいなという思いを込めて、買いました。

―  1年間、弾いてみていかがですか?

髙野清宗(以下:髙野) だいぶ馴染んできました。買った当初の鳴らしていた感覚と比べると、今はもっと気楽に弾けるようになったんじゃないかな。思ったように出したい音が出せないこともあったんですけど、徐々に出せるようになってきましたね。


僕はクセに敏感なんですけどフェンダーは一番馴染むという印象
 

―  皆さんにとって、フェンダーというブランドに対するイメージは?

大森 アマチュアからプロまで、求めているものに応えてくれるというか、クセがない感じというか。いろいろな楽器を弾いてみるとわかるんですけど、それぞれに特性があるじゃないですか。僕はそんなに何本もギターを買うタイプではないから、その特性と言うか、クセに敏感だったりするんですけど、フェンダーは一番馴染むという印象があります。現に今もメインで使っているのは、このTelecasterですからね。

若井 僕は安心感かな。フェンダーなら間違いなく、絶対にいい音が鳴っているという安心感があります。

高野 どんな音楽を聴いている人でも、一度は絶対、聴いたことがある音だと思うんですよ。ベースにしてもギターにしても。だから耳馴染みがある。だから、弾いた時に“あ、この音、何か聴いたことがある”ってなるんですよ。

大森 これだよなってみたいなね。

若井 実はレスポールを買う以前、ずっと兄貴から借りていたフェンダージャパンのストラトを弾いてたんです。でも、僕の技量の問題もあったと思うんですけど、歪みペダルを使ったとき、全然歪まなくて、それでレスポールってハムバッカーじゃないですか。だからパワーがあると思って、とりあえずレスポールだって。

大森 当時はパワーコードを多く弾いてたっていうのもあるよね。

若井 そこから1周して、またストラトに戻ってきました。

―  将来、こんな音を奏でたいっていうのはありますか?

高野 1回聴いただけで“髙野だ”っていう(笑)。おこがましいですけど、そういう自分の音を追求したいですね。

大森 そういう意味でなら、自分の手癖を追及したい。楽譜に起こしたとき、それを見た人が“はぁ?!”となるような音楽を作り続けたいです。その人の手癖だけで出来上がっているフレーズってあるじゃないですか。そういうのが自分にもあったらいいなと思います。

若井 お利口な感じにはなりたくないですね。例えばレコーディングでミスってないから、これでいけるなっていうのもあるんですけど、自分で納得してない時は録り直すんですよ。

大森 攻めてたいよね。

若井 そう! 攻めていたい。

―  その納得できる、できないのラインは?

大森 グッと来るか来ないかだと思います。グッと来る来ないって、言葉で説明できないじゃないですか。でも、そういう演奏をするのがバンドなのかなって僕は思ってるんで。

若井 技術じゃないところでね。

―  今回、「青と夏」で原点回帰したミセスは、これからどこに向かうんでしょうか? 最後に聞かせてください。

大森 僕らがやってきたことは全部、バンドの筋肉になっていると思うので、どういう道に進んで、どういう音楽を鳴らしたとしても、絶対に今回、原点回帰したエネルギーは僕らの中に残っていると思います。どうなっていくんでしょうね(笑)。具体的にはわからないですけど、日本の音楽とかバンドとか、もっともっと面白くできたらと思いますけどね。最近、ファン層は広がりましたけど、それでもミセスの音楽を聴いてくれているのは、主に中高生なんです。その世代の時に聴いた音楽って、ずっと残るじゃないですか。だから、リスナーにとって、後々までつながるような衝撃的なものを作り続けていきたいですね。

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Mrs. GREEN APPLE

大森元貴:Telecaster
「試しに弾いた時、音の立ち上がりが太かったんです。それが気持ち良くて、一発鳴らして買いますって決めました。いろいろなプレイにちゃんと寄り添ってくれるオールマイティなギターです」(大森)

若井滉斗:Stratocaster
「赤べっこうのピックガードに一目惚れしました。ミセスの楽曲っていろいろなタイプがあるから、それに対応するならストラトだと思って。右手のタッチでけっこう音色が変わるんです。ストラトを使うことで、ギタリストとしてのスキルも上がるんじゃないかって思いました」(若井)

髙野清宗:Precision Bass
「プレシジョンベースって鳴らそうって意識で弾かないと、音がちゃんと出てくれないことに気づいて。そこがいいな。自分も一緒に成長できたらいいなという思いを込めて買いました。1年弾いてみて、買った当初の鳴らしていた感覚と比べると、今はもっと気楽に弾けるようになったんじゃないかな」(高野)

PROFILE


Mrs. GREEN APPLE
2013年結成。メンバーは、大森元貴(Vo,Gt)、若井滉斗(Gt)、藤澤涼架(Kb)、髙野清宗(Ba)、山中綾華(Dr)。2015年、ミニアルバム「Variety」でメジャーデビュー。2018年4月 3rdフルアルバム「ENSEMBLE」。9/8(土)&9/9(日) 幕張メッセにて開催される「ENSEMBLE TOUR」は即日完売。
› Website:https://mrsgreenapple.com

New Single
青と夏
【初回限定盤(CD+DVD)】¥1,700(tax in)
【通常盤】¥1,200(tax in)
ユニバーサル
2018/08/01 Release

Artist