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尾崎豊とテレキャスター
(Photo by Teruhisa Tajima)
尾崎豊をデビュー当時から支え続けたプロデューサー須藤晃。今回、6月16日にフェンダーアーティストシグネイチャーの発足から30周年を記念して開催される「FENDER CUSTOM SHOP EXHIBITION」で、尾崎本人が実際に使用していたテレキャスターが一日限定で特別展示される。 今でも、尾崎を語る際には「尾崎さん」と慕う須藤氏の目から見た尾崎豊とテレキャスターの関係、想い、そして、この日である意味など。今年で二十七回忌を迎え、今もなお決して色褪せることのない尾崎豊の魅力を語る上でテレキャスターが欠かせない、そんな必然を感じるメッセージが届いた。
1992年4月25日に巨星 尾崎豊は突然この世を去りました。なんの予告も前兆もなく、星が流れて 消えるようにいなくなったのです。
その年の6月16、 17日には日本武道館での最新作「放熱への証」のツアーが開催される予定で、誰もがあっけにとられるようなアーティスト尾崎豊のエピローグが、残酷なほどの衝撃が平成4年の春に起こりました。
今年は二十七回忌を迎えたのです。今までもいくつかの節目に彼を偲び、作品をたたえ、アーティストとしての希少性を賛美するためのイベントを計画してきましたが、今年は彼が愛して止まなかったフェンダーのテレキャスターの尾崎豊コラボレーションモデルを作りたいというオファーをいただきました。
しかもフェンダーのイベントが幻の日本武道館公演の日というのも何かの縁を感じます。
ロックアーティストとギターの関係はステージパフォーマンスにおいて最も美しい造形美を作ります。彼がデビューライヴをすることになったときに、どちらかといえばフォーキッシュなスタイルでアマチュア時代を過ごしてきたタイプだったんですが、アーコースティッ クギターよりもエレキがいいと僕も主張したのを覚えています。そのときに選ばれたのもテレキャスターモデルでした。
少しリーゼント気味の髪型に革のジャンパーを着て長めのストラップでギターをぶら下げたスタイルはすでに王者の風格がありました。「BIRTH」ツアーのリハーサルを始めるときに、彼がアイソトープという自分の事務所を立ち上げたばかりで、まずは楽器を揃えましょうということで、何台もギターを注文してました。
その中のメインが今回のテレキャスターです。実際ステージでもなんども弾いてます。「BIRTH」ツアーは50箇所以上の公演でした。そしてきっと「放熱への証」ツアーでもステージで掻き鳴らしていたはずです。
それは叶いませんでしたが。僕は言葉とメロディーの絡み合いに執着して、ただソリッドなサウンドではなく、どこか叙情性と温かみを尊重した尾崎豊の本質はこのテレキャスターの紡ぎ出す音に支えられていたのだと思います。
尾崎豊よ、永遠に。
須藤 晃
尾崎の魂が込められたTelecaster®。1992年6月16日、17日に予定されていた「放熱への証」ツアーにおける自身初の日本武道館公演でも使われる予定だった。
FENDER CUSTOM SHOP EXHIBITION
尾崎の魂が込められたTelecaster®も展示される「FENDER CUSTOM SHOP EXHIBITION」は、最新のFENDER CUSTOM SHOPの作品の中から選りすぐった約200本の逸品が一堂に会するギターファン垂涎のスペシャルなイベントです。イベントには、普段からフェンダーを愛用する ギタリスト、Charや鈴木茂、Ken(L'Arc〜en〜Ciel)、布袋寅泰なども登場。他にもマスタービルダーであるポール・ウォーラーやピックアップマスターであるホセフィーナ・カンポスによる製作 デモンストレーションなど、盛りだくさんの1日となっています。
- ■日時:2018年6月16日(土)11:00〜19:00
- ■場所:ベルサール渋谷ガーデン 1Fホール
〒150-0036 東京都渋谷区南平台町16-17 住友不動産渋谷ガーデンタワー 1F - ■出演:INORAN(LUNA SEA)、Ken(LʼArc〜en〜Ciel)、鈴木茂、Char、ハマ•オカモト(OKAMOTOʼS)、 布袋寅泰(50音順)
- ■入場料:無料
- ※ステージエリアで行われる各イベントは整理券が必要です。詳しくは下記の特設ページでご覧ください。