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90年代を象徴するモデルの再構築:HM Strat
生まれ変わった"Super"なストラトを見ていきましょう。
80年代後半、ヘヴィメタルとハードロックが世界を圧巻していました。焼け付くようなギターソロや、切り裂くようなシャウトがチャートを賑わし、髪の毛を逆立て、派手な衣装を纏ったアーティスト達がアリーナツアーを行なっていたのです。この時代を代表するPoison、Mötley CrüeやVan Halenといったバンドには、当時のムーブメントを象徴するギタリストが在籍し、彼らは"Super"なギターを使用していました。
テクニカルなプレイを好む彼らは、ハイゲインなハムバッカーと、ロッキングタイプのトレモロを装備した、ピックガードの無いStratを愛用し、中にはガレージで組み上げられたようなオリジナルなギターも存在していました。同時に粗悪なコピーモデルも大量に生産されており、その答えの一つとして、1988年にフェンダーはStratocaster®のヘッドストックに相応しいモデル"HM Strat"を発表したのです。
日本の工場で生産されたこの"HM Strat"(実はHeavy Metalの略なのです)は、1990年頃からUSでも販売され、フェンダーのトラディショナルなデザインと一線を画するモデルとなりました。バスウッドのボディに、プレイアビリティの高いスリムなネックを、当時フェンダーとしては採用していなかったヒールレスジョイントでセットした最初のモデルなのです。(現在は、Americana Ultraや、American Acoustasonicに採用されています。)また、このモデルのためにデザインされた"Strat®"ロゴがこのモデルを特別なものにしました。
そして今、HM Stratが復活します。オリジナルと同じくプレイアビリティに優れるこのモデルは、当時と同じ工場で生産され、バスウッドのボディ、25.1インチスケール、メイプルまたはローズウッドの指板を持つナローCシェイプのネック、ミディアムジャンボフレットを採用し、Floyd Rose® ダブル・ロッキング・トレモロは、激しいアーミングプレイの後でも安定したチューニングをもたらします。ハイゲインなHSSのピックアプは、よりトラディショナルなStratのトーンが出せるよう、リアのハムバッカーをスプリットすることができるのです。
80年代に好評だった4色(Ice Blue、Frozen Yellow、Flash Pink、Bright White)に加え精悍なBlackもラインナップし、ブラックカラーのヘッドストックには特徴的な"Strat®"ロゴとボディカラーにマッチしたブラシストロークをあしらっています。