#FenderNews / GREENROOM FESTIVAL'19 × Fender TALK LIVE (DAY1)
GREENROOM FESTIVAL'19 × Fender TALK LIVE (DAY1)
King Gnu/THE BAWDIES/Switchfoot
5月25日(土)26日(日)、横浜赤レンガ倉庫のイベントスペースにて開催されたGREENROOM FESTIVAL'19。SURF MARKETの一角に設けられたフェンダーブースでは、アーティストによるミニトークイベントが行われた。King Gnuの常田大希(Gt,Vo)と新井和輝(Ba)、THE BAWDIESのTAXMAN(Gt,Vo)、SwitchfootのJon Foreman(Vo,Gt)とTim Foreman(Ba)が登場した25日の模様をレポート。
トークイベントにまず登場したのは、メインステージでトップバッターを務めたKing Gnuの常田大希(Gt,Vo)と新井和輝(Ba)。人気急上昇中のKing Gnuだが、常田と新井は個人での活躍も目覚ましい。そんな彼らにバンドで音を鳴らすことの魅力について聞いたところ、「もともと僕らはセッションミュージシャンもやっていたんですけど、バンドでしか出せない爆発力というものがあると思いますね」(新井)と答えた。さらにKing Gnuの自慢したいところについて2人に尋ねると、お互いの名前を挙げる場面も。こういったメンバー同士のリスペクトもバンドの躍進の秘訣なのだろう。
King Gnuと言えば、卓越した技術に裏打ちされた圧巻のライヴパフォーマンスも魅力だ。ライヴの良さについて新井は「僕らは音源とライヴが違ったりするので、その時にしかやらないこともあって。そういう“今しかない”感じは好きですね」と語った。
今でこそ巧みなプレイで魅了する彼らにも、初心者時代がある。これから楽器を始めるビギナーに向けて、新井は自身の経験に基づいてアドバイス。「やりたかったら始めたらいいじゃない!って思います。悔しいという気持ちはキープしたほうがいいですね。できなかったら、それを原動力にして次につなげる。僕も、今でもそういう悔しさはあります。今日のライヴは上手くいかなかったな、バンドの中の噛み合いが上手くいかなかったなって時はそういう風に思います」(新井)
そして、セッションへ。常田はAmerican Acoustasonic Telecasterを手にして、おもむろに演奏を始める。温かさがありながら抜けのあるギターサウンドに、新井が奏でるアコースティックベースのふくよかな音色が絡み合う。常田も新井も無邪気な表情で音を鳴らしていた。
American Acoustasonic Telecasterについて常田は「本当に、めちゃめちゃいいです」と力説。「ライヴでアコースティックギターを使う時って、マイクを立てるとハウったり、取り扱いが面倒なんです。でも、これは線(シールドケーブル)1本で出せるから本当にいいなと。すごくいいギターですね」(常田)。さらに新井が「リハで弾かせてもらった時、“マジでめちゃくちゃいいな!”ってずっと言ってましたよ(笑)」と、常田がはしゃいでいた様子を明かした。
常田が絶賛した影響もあり、トーク終了後のブースも大盛況。誰もが楽しそうに試奏するさまが印象的で、プロ/アマ問わず弾く者を夢中にさせるAmerican Acoustasonic Telecasterの魅力を強く感じた。
› King Gnu: http://kinggnu.jp/
続いて、THE BAWDIESのTAXMAN(Gt,Vo)が登場。「ギターって、カッコいいですよね。弦が6本あるから可能性も広がります」とギターの魅力を語る。父親の影響で、TAXMANにとってギターは身近な存在だったという。また、バンド結成当時の練習法について「ザ・ビートルズとかローリング・ストーンズならTAB譜が存在するんですけど、僕らの好きな60年代のガレージパンクって、そういうのがないんですよね。なので、何回も聴いて耳で覚えて、自分で音を探して…というのを、ひたすらやっていました」と明かした。
THE BAWDIESのメンバーは高校の同級生で、ソニックスに憧れてバンドを結成したのは周知の通り。結成15年、音楽性をぶらすことなくロックシーンの最前線で走り続けてきた秘訣について彼は「いろんな要素があると思うんですけど、僕らは昔からルーツをすごく大事にしていて。ルーツがあるから、逸れた時もちゃんと帰ってこられる。迷った時は一回ソニックスを聴こうよっていう、そういう帰れる場所があるというのが、長くやっていける秘訣かもしれないですね」と振り返る。
楽器は各時代の音楽を反映し、音楽とともに進化している。TAXMANはそんな楽器の持つ一面に言及しつつ、楽器に対する現在のスタンスについて語った。「僕らが好きな50年代・60年代・70年代は、音楽が一番進化した時代なのかなって。ギターは、そういう背景が時代ごとに見えますよね。僕も昔はヴィンテージ機材を使っていたんですけど、(今は)現行のタフなものを使ってみようと思っています」(TAXMAN)
そんな彼が手にしたのは、最新機種のAmerican Acoustasonic Telecaster。アコースティックギターとエレキギターのサウンドが見事に融合した本機は、多様化する音楽シーンにおけるギタリストのニーズと、現代の技術が組み合わさったことで生まれた一本と言えるだろう。
ジャック・ホワイトも愛用していたということで、American Acoustasonic Telecasterに以前から注目していたという彼は、本機の特長を丁寧に解説。「すごいギターを開発しましたよね」と思わず笑みをこぼす。まずはアコースティックサウンドで、しっとりと演奏。フルホロウボディによるふくよかで美しい音色で魅了すると、ピックアップを切り替えてエレキギターのサウンドに。TAXMANの奏でる開放弦を活かしたフレーズは、温かくきらびやかな音色と相性抜群。観客に向けて、本機の魅力を存分に伝えてくれた。
› THE BAWDIES: http://thebawdies.com/
最後に登場したのは、スウィッチフットのジョン・フォーマン(Vo,Gt)とティム・フォーマン。2人はAmerican Acoustasonic Telecasterに興味津々で、トークイベントが始まる前から本機を試奏。夕方の海辺にピッタリな優しいギターの調べを聴いて、思わず足を止める観客もいた。
スウィッチフットというバンド名はサーフィン用語に由来していて、2人ももちろんサーフィン好き。サーフィンコンテストを兼ねたサンディエゴの音楽フェス、Switchfoot BRO-AM(スイッチフット・ブラ・アマ)のホストも務めるほどだ。
トークの序盤は、サーフィンの話に花が咲く。ティムは「サーフィンと音楽はつながっているところがあって、国境やルールとか隔てるものがないんだ。サーフィンは毎回同じ波が来ないから、毎回違った波に乗って、毎回違った無限大を感じることができる。音楽も、表現をすることで無限大を感じることができるんだ」と、サーフィンと音楽の共通点を語った。
音楽好きの家庭で育ったフォーマン兄弟がバンドを始めたのは、自然の流れだったそう。「両親は音楽が大好きで、家に楽器がたくさん転がっていたから、いつ楽器を始めたのかわからないんだ。でも、自然と音楽と一緒に育ったね」と、子供の頃を振り返るティム。ジョンも「レッド・ツェッペリンのカヴァーバンドをしていて、もともとはピアノを弾いていたけど、レッド・ツェッペリンの音楽にピアノはあまり登場しないからギターを始めたんだ。悪い子にならない一番の方法は、サーフィンをして、自分の部屋でギターを弾くことだね(笑)」と語る。さらに「声変りをして声が低くなって、(レッド・ツェッペリンを歌う時に)声が出せなくなってしまって。それで中学生の頃に、自分たちで曲を作ろうと思ったんだ」と、ジョンはAmerican Acoustasonic Telecasterでレッド・ツェッペリンの「天国への階段」を奏でながら、バンドを始めたきっかけについて振り返った。
ここで、改めてセッションの時間に。温もりあるギターサウンドと2人のハーモニーに加え、ティムが観客を促してハンドクラップが起こり、フェンダーブースは瞬く間にライヴ会場と化す。
バンドで音楽を奏でる魅力について尋ねられた時、ジョンは「ライヴをすることで、いろんなお客さんとコネクションができて、その先に見える何かをバンドのチームと一緒に共感できることだね」と答えていたが、その言葉を裏付けるように、彼らと観客がひとつになって素晴らしい空間を作り上げていた。
› SWITCHFOOT: https://switchfoot.com/
American Acoustasonic Telecasterの音色が海風によって遠くまで運ばれ、その美しいサウンドを聴いた人が一人、また一人と足を止め…この日の横浜は真夏のような暑さだったが、フェンダーブースには音楽好きが絶えず足を運ぶ。
アーティストの言葉とAmerican Acoustasonic Telecasterによって、多くの人がフェンダー楽器の魅力を体感した一日となった。